神戸タウン情報

トップページネット小説(随筆風)「愛と束縛と自由」 第1回「夢を追う姿」
広告申込

神戸タウンガイド

ネット小説(随筆風)「愛と束縛と自由」 第1回「夢を追う姿」
2016年04月15日
「束縛は常態」
輝きは、常に自由を求めて生きてきたと思っている。
実際は、自由に先立つもの(お金を稼ぐため)に、日々あくせく時間を費やしている。
生活するためにアルバイトに追われているのである。

長期のアルバイトをした後、少しだけ生活費を節約して残ったお金で、
旅に出たりする時が、「自由を満喫」している気もする。

夢もある。「それは作家で身を立てる」そんなイメージと言える。
漱石の本がお気に入りで、星新一もライトで清潔な感じが輝きの嗜好と
近い気がする。
考えてみれば、夢を実現するための行動はしていないようだ。
先ず作品を書き、懸賞小説等に応募するという夢を実現させるための
階段を登ってはいない。

大学時代の友人のFとも、学生会館のパーラーで夢らしきものを語りあったものだが、
Fは、さっさと中堅商社へ就職し、仕事を覚えるのに必死な現在を送っている。
彼の夢は、「音楽家」であった。
小さな頃より、ピアノを習い、小さな音楽コンクールで入賞したこともあった。
しかし、周りの小さな天才肌の少年達と接するうちに、彼の音楽への夢も
急速に冷めていったようだった。

音楽を語らせると、流石に専門家らしい話をするので、感心して聴くことが多い。

輝きは、F君ほどドライに考えられず、今も夢を捨てきれず就職へ前向きになれずにいた。

あるとき「夢も束縛」の一種と小説の一節に出ていて、なるほどと衝撃に近い
印象をその文言から受けたのを記憶している。
「夢を追うのは何のため・・・」
それは砂漠で水を求めて、蜃気楼を追うような、虚しい歩みにも似たところがある。
僅かな確率で夢を実現する人の過程は、想像を超える苦難も伴う場合もある。
中には殆ど苦労もしないで、才気煥発な人は、夢を難なく実現してしまう。

夢と言えばどうも遠い将来をイメージするようなところもある。
明日にも実現しそうな事を、人は夢とは言わないだろう。

   ・・・続く

このページのトップへ

広告申込  運営:マーケットコム「タウンガイド」編集部  神戸タウンガイドへ

碁フレンドシップ
初期仏教出張講座
「株式投資入門講座」 出張レッスン