株式投資講座 第11回 「事業家と投資家」
- 2020年02月10日「事業家と投資家」
事業の拡大局面では、企業が小さな惑星を呑み込むように
買収等が行われたりします。
人生のドラマ同様、実業家も普通の人間です。
この問題は極めて精神的苦痛を伴う事もあります。
ある実業家は、自分の恩人として事業家として大きく貢献してくれた、
S氏から投資の話を持ち込まれてきました。
恩人であり、かつての上司であったので、最後の頼りとしてその実業家に、巨大投資の共同者になってくれるだろうと期待して要請をしました。
結局この上司であった人の期待は裏切られ、実業界から消えていく事に
なります。
期待に添えない元部下であった実業家も、状況の逼迫性は十分に理解できました。
しかし、冷静に見ると巨大な鉄道投資へ自分の命運を預けるのは、
できないと判断しました。
彼の回想録に、「家族の転落する姿が浮かび、とてもこの投資共同パートナー
にはなれないと思いました。・・・」
投資とは人間的ドラマの結晶化の現象でもあるのです。
小さな10万円の大切なお金で100株の株券を購入するのも
それなりの決断がいることでしょう、
金額が多くなればなるほど、投資家の苦悩は増大します。
株主優待を楽しんでいた時期が懐かしい思い出になる投資家も
多いかもしれません。