仏教講話 2020年2月「誰もが自分が正しいと思っている」
- 2020年02月09日自分が正しいと誰もが思っている。
・人間関係の基本
人間は誰でも自分が正しいと思って生きています。
「正義は我にあり」「他人の誤りは見やすい」
「自分と同じ好みや意見の人に好感を持つ」・・・
生きる上で、仲間や派閥に所属するのは世間では必要とされています。
仲間外れにされたら「苛め」「降格」「無視」という酷い対応をされてしまいます。
人間の本性は汚れていると仏教では捉え、そしてそれは事実であります。
犯罪者の決まり文句は「ああするより仕方なかった・・・」
と釈明します。
この考えの根底には、「自分が正しいと思ってやったこと」と無意識に
思い込んでいるのです。
この現象は、全ての人間関係にも当てはまります。
学校内でグループを作り苛めの行為をする生徒たちも、
企業内で、集団で横領行為をしている場合でも、
自己責任から逃れるように、集団なら何か自分の責任が薄くなると
錯覚しています。
このように付和雷同する人もいますし、自ら進んで違反を犯す人もいます。
「誰でもいいから人を刺したかった」と犯罪者は自分の気持ちを語ったりします。
自分に正直に生きる時も、善悪の判断がおろそかになれば、その責任は
自分が受ける懲罰に繋がります。
一つ知るべきことは、「自分が正しい」は、人間の本性に根差しているということです。
善悪の重要な判断をせず、自分の衝動的感情に支配され、行っています。
悪行為の殆どの動機は、このような愚かな思考から発しているのです。
私たちはこのような過ちを犯さないように、まともな人格を育てなければなりません。
生きることの重要な意義とは、個の本性にある魔性を駆逐することにあるわけです。
人格向上の道は簡単な道ではありません。
しかしその成果は幸福への道に確実に繋がっています。
善行為は、「幸福への道」、悪行為は「不幸への道」これが因果法則です。