第12回 仏教講話 「不安と不満を捨てる」
- 2019年12月01日一切の不安・不満を捨てていく
・無常を知る
私たちの日常には、不安と不満が絶えず生起しています。
この現象は、生じては滅し、生じては滅しを繰り返しています。
現象は似ていますが、同じ現象ではなく、絶えず小さいですが、
変化しています。
不満も不安も同じように心に生じる現象です。
生じては消え、生じては消えを繰り返します。
この流れを輪廻と呼びます。
生きている事は、輪廻の中での現象の変化に流れていくことになります。
苦しみは続き、怒り、欲は(生き続けていきたい)は、生起します。
この輪廻の現象を乗り越える手法が「八正道」聖なる八つの道と釈迦が
第一義的に語られました。
不安と不満は苦の派生現象です。
これらから自由になるには智慧の開発が必要です。
取りあえず、「不安」が起これば、その不安な状態を観察して、
漠然としたものか、具体的な現象への不安かを区別しましょう。
漠然とした不安は、感情が生産する汚濁のようなものと理解しましょう。
そしてその心に生じた汚れを捨てるようにしましょう。
根拠のない不安を捨てますと、後は落ち着いた綺麗な心の状態が起こります。
これは生涯に渡って続きますが、その不安が起こるたびに捨てればいいだけです。